しっかり動いたら、しっかり栄養を。
ロコモ対策になる食生活とは
どんなもの?

肥満もやせすぎも要注意!
正しい食生活で運動器の健康を守りましょう。

肥満になると、体重が増えた分、腰や膝に負担がかかり、ロコモの原因になるのです。

一方、ダイエットや食欲不振などによって栄養が不足すると、骨や筋肉の量が減ってしまいます。とくに若い女性の極端なやせ志向や高齢者の低栄養状態には要注意。ロコモに陥らないためには、肥満ややせすぎにならないよう食事に気をつけることが重要です。

「5大栄養素」を1日3回の食事から
バランスよく摂ることが大切です。

では、どういう食事がロコモ対策になるのでしょうか。

私たちが健康に生きていくために欠かせない栄養素は、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのいわゆる「5大栄養素」。これらは運動器の機能を保つのに欠かせません。「5大栄養素」を毎日3回の食事から摂ることが大切です。

料理は大きく分けると「主食」(炭水化物を多く含むご飯やパン、麺類など)、「主菜」(メインとなるおかず:たんぱく質を多く含む肉、魚、卵、大豆製品など)、「副菜」(付け合わせのおかず:ビタミン、ミネラルを多く含む野菜、海藻など)の3つになります。1日3回の食事にこの主食、主菜、副菜を揃え、牛乳・乳製品や果物なども組み合わせると、5つの栄養素をバランスよく摂ることができます。

栄養バランスは、1週間の中でととのえても大丈夫。
無理なくそろえるのが続けるコツです。

バランスよくといっても、忙しい朝は無理という方は、たとえばパンに牛乳や果物をプラスしてみたり、おにぎりに味噌汁をプラスしてみるだけでも、栄養バランスがよくなります。

主食、主菜、副菜を1食の中で揃えることがむずかしい場合は、1日の食事の中でトータルに、それもむずかしい場合は、1週間の中で無理のない程度にそろえてみましょう。栄養はきちんと食事から摂ることが大切です。

献立に変化をつけたり、大勢で食卓を囲んだり・・・
楽しく食べる工夫をしましょう!

どの世代でも、不規則な生活を続けると身体に本来備わっているリズムが崩れて、健康障害を引き起こすリスクが高まります。そういう場合は、まず生活のスタイルを見直すことが大切です。近年は高齢者の栄養不足も問題になっています。高齢になると食が細くなる傾向がありますので、3回の食事以外に午前と午後のおやつを加えて不足した栄養を摂るのもいいでしょう。

きちんと栄養を摂るためには、食べたくなるような工夫が必要です。和食・洋食・中華など献立に変化をつけたり、色の濃い野菜などを取り入れて、食卓を彩り豊かにするといいでしょう。また、家族や親しい人たちといっしょに食卓を囲んだり、外食やアウトドアでの食事も効果的です。盛り付けや器など見た目にも工夫をして、楽しく食事をしましょう。

ロコモを防ぐ栄養摂取のポイント 〜3つの視点〜

ロコモ チャレンジ!
推進協議会栄養ワーキンググループ

新開 省二
(東京都健康長寿医療センター研究所 研究部長)

POINT 1
低栄養に注意!

高齢期では、痩せている人や血液中の栄養成分(アルブミンなど)が低い人は、要介護になるまでの期間が短い傾向があります。その状態を低栄養と呼びます。低栄養になるとロコモの要因となる骨粗しょう症やサルコペニア(筋肉減弱症)なども起こりやすいので、その予防が肝心です。ここで参考となるのが「食品摂取の多様性得点」(図1)です。10の食品群にある食品を、できるだけ毎日食べてください。ほとんど毎日摂る場合に1点、それ以下の頻度の場合は0点とします。合計得点が高い人ほど、低栄養になりにくい他、筋肉や骨がしっかり維持され、歩行速度や握力が高いことがわかっています(図2)。

POINT 2
主菜、副菜は毎食、牛乳・乳製品・果物は毎日欠かさずに

主食(お米やめん類など)に加えて、毎食、主菜(肉・魚・卵・大豆製品のおかず)を1品、副菜(野菜・きのこ類、いも類のおかず)を1品、必ず添えましょう。それに加えて、毎日、牛乳又は乳製品および果物を摂りましょう。

POINT 3
骨や筋肉を強くする食事

ロコモの原因となる「骨粗しょう症」や「サルコペニア(筋肉減弱症)」の予防に特に必要な栄養素について、骨を強くする食生活筋肉を強くする食生活のページでで詳しく紹介しています。

1. 食品摂取の多様性得点
[図1. 食品摂取の多様性得点] ほとんど毎日摂る場合:1点 それ以下の頻度:0点 「10項目の点数表: 1.肉、2.魚介類、3.卵、4.大豆・大豆製品、5.牛乳・乳製品、6.緑黄色野菜、7.海藻類、8.いも、9.果物、10.油を使った料理」あなたの合計得点は? → 点「合計得点が高いほど低栄養になりにくい!」

(東京都健康長寿医療センター研究所作成)

2. 食品摂取の多様性得点と身体機能
[図2. 食品摂取の多様性得点と身体機能] 図1の多様性得点を元に自身の「握力」「通常歩行速度」を標準と誤差があるか比較する図

対象:在宅一般高齢者1,063名
多様性得点4分位:Q1=0-2点、Q2=2-4点、Q3=4-6点、Q4=6点以上
データ:性、年齢、地域、BMIで調整した平均値±標準誤差
(Yokoyama et al. J Nutr Health Aging 2015, in pressを一部改変)

骨や筋肉の“素“は毎日の食事から。
きちんと食べて食生活でも「ロコモに負けない身体」を。