• お知らせ

ロコモ度を判定する「臨床判断値」に「ロコモ度3」を追加いたしました。

公益社団法人日本整形外科学会(理事長:松本 守雄、所在地:東京都文京区本郷2-40-8)は、この度、ロコモティブシンドロームの段階を判定するための臨床判断値にあらたに「ロコモ度3」を設定しましたので、公表いたします。 「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」とは運動器の障害のために移動機能が低下した状態を指します。運動器の障害は高齢者が要介護になる原因の1位であり、40代以上の日本人の4,590万人が該当するとされています。ロコモが重症化すると要介護状態となりますが、近年の研究結果により、その過程で運動器が原因の「身体的フレイル」を経ることが分かってきました。「身体的フレイル」に相当するロコモのレベルを知り、対策をとることが大切となります。また、ロコモに該当しない場合でも、運動器の衰えに気づき、対策をとることも必要です。 学会では全年代におけるロコモ判定を目的として2013年に「ロコモ度テスト」を発表、2015年にロコモ度テストに「ロコモ度1」「ロコモ度2」からなる「臨床判断値」を制定しました。この度、ロコモがどの程度進行することで投薬や手術などの医療が必要となり、医療によってロコモがどのように改善するかを検証し、ロコモとフレイルの関係性を研究した成果をもとに新しい臨床判断値として「ロコモ度3」を制定いたしました。これにより、ロコモの医療対策に関する根拠、高齢者健診から医療への橋渡しなどが期待されます。 また、学会の下部組織であるロコモ チャレンジ!推進協議会が実施した、ロコモ度テストの性・年代別基準値も合わせて公表し、ロコモに該当しない方が同年代の基準値と比べられるようにいたします。 <ロコモティブシンドローム 臨床判断値と判定法について> ①下肢筋力、②歩幅、③身体状態・生活状況の3項目から成る「ロコモ度テスト」の計測結果から、各項目における臨床判断値を用いて、ロコモの進行状況を「ロコモ度1(いち)」、「ロコモ度2(に)」「ロコモ度3(さん)」と判定します。「ロコモ度1」は、移動機能低下が始まっている段階、「ロコモ度2」は、移動機能の低下が進行し、自立した生活ができなくなるリスクが高くなっている段階、「ロコモ度3」は、移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている段階です。段階に応じて、運動や食事の指導、整形外科専門医受診の必要性などが分かります。「ロコモ度テスト」を活用することで、一般の方もご自身でロコモ度を判定できます。 ※「ロコモ度テスト」とは:「ロコモ度テスト」は移動機能を調べるテストです。「立ち上がりテスト(下肢筋力を調べる)」、「2ステップテスト(歩幅を調べる)」、「ロコモ 25(身体状態・生活状況を調べる)」という3つのテストで成り立っています。 詳細はリリースPDFをご覧ください。